「機動戦士ガンダム」というアニメが今でも何故これだけもてはやされているのか、上手く説明できる人は少ない。もし不幸にもガンダムを知らない人に対して当時のアニメや映画、OVA、ガンプラなどを与えてもきっと上手く洗脳できないだろう。
なにしろ作品レベルで言うのであればもっとすぐれた作品は昨今に限らず多々ある。それどころかアニメーション作品としては最も稚拙な初代ガンダムが今でも一番評価が高いのだから不思議なもんだ。まあ、実は不思議でも何でもなく、作品として幸いにも表現の表層でなくきちんと理解されているという証拠でもあるのだが。
ただし、受け止め方、琴線に触れる部分は日本人特有だといえる。
ためしに「ガンダムってどんなのさ?」と訊いてみるといい。たいてい「モビルスーツ」「ニュータイプ」とかそういうところが表立って「宇宙世紀時代の独立戦争の話」と簡潔に答えられる人は少ない。もっともガンダムを理解する上では前者の方が正しいのではなるが。
あの当時であったから成立したものでもあるまい。リアルタイム世代より下の世代でももっと熱い。ガンダムやもはやアニメなどの一作品の枠を越えている。
「メル友がドムだった」
なんて言葉が普通に通じる。ひとつの文化に近い。
だからといって宗教でもない。
今から思えば局地的な現象にすぎなかったのかもしれないのが「新世紀エヴァンゲリオン」
のめり込んだ人の熱さはガンヲタを大きく越えていた。あの手合いが宗教だ。エヴァヲタは包帯巻きで現れた綾波レイに奇跡を見つけたのだ。
もちろん、世の中には眼を覆いたくなるようなガンヲタも居るのだろうが、普通に市民権を得ている。Jポップのアーティストが好きだという程度の気恥ずかしさで、普通にガンダムの話ができる。
つまり、ガンダムとは、かつてのパンクムーブメントのように一種の体験であったのだろう。
優れた(自分にとって)体験はイマジネーションの源泉になる。
今月、NHK BS2にてなんと9時間半に渡って夏休み特番があるらしい。
8月19日(金) BS2 19:30〜翌5:00
夏休み特番#2 BSアニメ夜話スペシャル「まるごと!機動戦士ガンダム」
「機動戦士ガンダム」の劇場版3部作を一挙にまるごと!放送するほか、各界ガンダムファンのゲストが、その魅力・見所をたっぷりと語りつくします。また、監督をつとめたアニメ界のカリスマ・富野由悠季氏がVTRで出演。創作の秘密・自作への思いをたっぷりと語ります。
映画3本続けてオンエアして6時間程度だとして、他に3時間も語られるということか。熱いな。
30年も商売のネタになるガンダムを羨ましいと思う輩も多いだろう。
しかし、いい大人として一番学ばなければならないのは、マーチャンダイジングではない。「機動戦士ガンダム」は子供を馬鹿にしないで創っていた。
もし、あなたが誰かに何かを届けようと思うのであれば、眼からビームを出してはいけない。
単純だけど、とても大切なこと。
Posted by enokizu at 2005.8. 9 | トラックバック