さよなら、固定電話

いまどき通信なんて、携帯電話とインターネット回線さえあれば用足りるのだが、つい先日、改めてきちんと固定電話を引いた。大人だな。その時のNTTの対応が凄まじく親切で驚いたもんだ。もちろん、あっというまに開通。まるで何か裏でもありそうなくらいだった。

そうやってなんでも疑うことは、かつてカイシデンが「臆病であるくらいがちょうどいい」と言ったように自分の身を守る。親切に応対されるのも当然だ。だって、来週になれば電話引くのなんてタダなんだから。くらっ(眩暈)

施設設置負担金の見直しについて

そういえばなにやら昨年から騒がれていた電話加入権廃止問題。知らなかったわけではない。施行されるのを知らなかっただけだ。

俺みたいな世代にとっては、かつて電話というのは幸福の象徴だった時代もある。

当時7万2千円。20年以上前からこの値段だったんだから、べらぼうに高かった。
幼年期の頃は、もちろん家に電話なんてなかった。 特別に貧乏だったとも思えないが、隣や大家に電話を取り次いでもらったり、借りたりするのも珍しくないのが日常の風景だった。

ひとり暮らしを始めた時にも仲間内で電話を引ける幸せもんは少なかった。
なにしろ、親元にいても、よっぽど裕福でなければ自分の部屋に電話なんてなかった時代だから、当時は「深夜に電話をしても怒られないガールフレンドが何人居るか?」というのは重要なライフラインだった。
上京した友人のほとんどは親が買ってくれた電話で、そのうちひとりは初任給は実家に返さなきゃと公衆電話から母親に電話した「あんたの自由に使いなさい。電話もないんでしょ?友達は大切にしないと」
そういう時代だった。

さて、 「2010年までに段階的に廃止」とか「廃止は白紙」とか、今でも実際にどうなるのか解らないくらい難航している理由が、これまでの電話加入権が財産として認められていた事。
それが価値ゼロになるというのは、まるでゴルフ場の会員権が紙切れになるようなもんだ。くらっ(眩暈)

加入権は債権と同じように売買できるし、不要になれば売却できるから賃貸住宅の敷金みたいなもんだと言う人も居た。「電話(債権)でお金貸します」なんていう広告もそこら中あったおかげで金融流れの債権を安く買うこともできた。「無形固定資産」として多額の資産計上をしている企業もある。そういった理由で「設置負担金を返還すべき」とか「値下げはおかしい」と加入者が騒ぐのも仕方ない。

かつて、電話加入権は施設設置負担金として扱われていた。
現在、NTTの持ってる通信インフラは旧電電公社の電電債や利用者の施設設置負担金などの資金により構築されている。つまり電話加入者が一緒に負担してきたことになる。

そう考えると「電話加入権」というのは 「NTTへの投資」として、これまでの電話加入者が NTTのあげた利益の配分を受けられるとしても辻褄のあわない話じゃない。
しかも、設置負担金の受入額は旧電電公社時代からの累計で約4兆7,000億円にも達するという。
ただし、これは当時の金額。
これに買った時点からの株価の上昇分まで加算すると、とんでもない金額になり、大量にNTT株が増発されることになれば相対的に株価が下がり、NTTの最大株主が困ることになる。
最大株主は国(財務大臣名義)

そもそも、なんでこんなに社会的反発が予想されるのに廃止を検討するのだろうか。

〈1〉高額の加入権料が新規契約や回線増設の妨げになっている。
〈2〉国内の電話網の整備が進んで設備投資資金の調達という本来の意義が薄れた。

という事が表向きの理由らしい。
まあ、他にも外圧とか政治家の理由がいろいろあるのだろう。

固定電話の設置負担金は前述のニュースリリースにあるようにまだ段階的移行段階で、現行の半額である37,800円に値下げされるに過ぎない。ただ、現実的にはもうみんなライトプランしか選択しないだろう。
すでに電話加入権は2005年3月1日、廃止になったも同然なのだ。

今一度、自分が使っている電話をいつ買ったものか調べてみるといい。
俺のように案外、自分の名義でなかったりもしたりする。

くらっ(眩暈)

Posted by enokizu at 2005.2.25 | トラックバック
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