不思議に思ったことも多いのではないだろうか。
人一倍、チャーミングで素敵な女性に限って悪い男に捕まったり、苦労した恋愛ばかりしていることを。
みんながみんなそうでないにしろ、そういうケースは男に比べて圧倒的に多い。
男性と女性の恋愛観が違うからだろう。男性はイメージの世界で生きていけるものだが、女性は自分の心が満たされているかどうかが重要になる。つまり、形より実質を重要視する。
まあ、お互いで補填し合っているわけだけど。
かつて僕はわかったようなふりをして、そういう不幸な恋愛にばかり陥ってしまう女性のファーザーコンプレックスを指摘したことがある。
ファーザーコンプレックスとは、なにも父親を慕うあまり乳離れできない娘のことをいうわけではない。ファーザーコンプレックスとは、娘が求める必要な愛情が足りなかった場合に起こるトラウマだろう。トラウマなんていう言葉を安易に使うのはよくないけど。
勘違いしてる人もいるが、父親が素敵な男性であっても、逆に尊敬に値しない忌み嫌う男性であってもファーザーコンプレックスは起こりえる。
もともと少女であっても女である限り、自分の心を満たしたい、娘は貪欲に愛情を欲する。
不幸にも夫婦仲が悪かったり、コミュニケーションが足りなくて娘の求めにうまく答えてあげられないとき空腹感を与えるだろうし、逆に父親が忌み嫌う対象であった場合(感受性の豊かな娘なら)本来、与えられるはずの愛情を人並みに受けられないと激しい空腹感を抱くだろう。
そしてなにより、この世で一番怖いことは父親から愛情を与えられなくなること。すなわち父親に拒絶されること。別のケースとしては、自分の父親に嫌われるという妄想の他に、不幸な離婚、死別も含まれるだろう。
本来、娘を愛さない父親なんて存在しない。
ただ必要なときにほんの少し足りなかっただけだ。
感受性が豊かで想像力、洞察力、記憶力の長けた女性ほど陥りやすいということは容易に想像できる。なにより証拠にファザコン女性は大抵、魅力的で艶っぽい人が多い。
さて、ひとたびファザコンに陥ると、同時に三つのコンプレックスを抱いて生きることになる。
父親に愛されなかったコンプレックス、自己受容できない(それを認めたくない)コンプレックス、他人を受け入れられないコンプレックス。
不幸なのはこういったファーザーコンプレックスを抱いた女性は女として致命的なものを欠落している。母性。ファーザーコンプレックスの女性はたいていの場合、母親からの愛情も足りない(と感じる)
わけあり、なりゆき、ゆきずり、奔放な恋愛に走りやすいのはそのコンプレックスから逃避できるから。快楽を求めて、つい楽な恋愛に走るのは仕方ないし、誰だって傷つきたくない。
同じコンプレックスを抱いた男なら、なおさら楽だ。自分のコンプレックスを感じずに済む。
でも、一番怖いのは自分が必要とされなくなること。
いつ捨てられるか解らないような男との恋愛は意図的に避けてきた。
怖くてしょうがないから。
男の方から振られるなんてことはありえない恋愛を選ぶだろう。
閉鎖的人間関係はいつも楽だ。
幸せが続くのならそれでもいい。
しかし、やがて無いはずの自分の母性がうずく。
いつか自分の母性を持って相手を救いたい。
反動形成。
無意識に引き寄せられるその感情を恋愛だと錯覚してしまっている。
誠実な男は平凡にみえてときめきを感じないのだろう。
彼女たちの理想の人は明確なはずだった。
「心を満たしてくれる人」
なのに、君が今までに魅力(恋愛に於いて)を感じた男は彼女たちを不幸にする人ばかりだった。
わざわざ、そういう欠陥のある男にばかり惚れていた。
そうでない男を避けてきた。
むしろ特定の相手ばかりを選んでつきあってきたことに気づくだろう。
無意識のうちに自分の中で欠落した母性を取り戻そうとしてるのだ。
その証拠に彼女たちを不愉快にさせたり悲しませたりする原因はいつも同じだったのではないだろうか。
心を満たされたい。愛されたい。
淋しい。誰かと居たい。
そんな時、出会う。
その人と居ると強烈な悦びがある。
そんな甘美な時間が2〜3ヶ月続く。
やがて一緒にいるとイライラする。心が満たされない。
でも、ひとりはいや。会わないでいると切なくなる。
淋しいからやっぱり一緒にいる。
でも、苦しい。もう限界。
その繰り返しじゃないだろうか?
本当に好きでもない男を愛してきたことになる。
しかし、相手の男に問題があるのではなく、そういう男を選ぶ自分に問題がある。
娘が健全に成長するには、充分な聖なる愛情が必要だ。
しかし、残念なことに聖なる愛情は実の父親からしか貰うことができない。
白馬の王子はやってこないし、誰も幸福の国へは連れていってはくれない。
過去の自分の力不足を責める必要はない。
人選を間違えてきただけだ。
なんてね。
ちゃーんちゃら、おかしいね(by 財前)
以上のファーザーコンプレックスの考察は受け売りだ。
実は、出張の貴重な移動の読書タイムに読む本に事欠いて『女性の「オトコ運」は父親で決まる』(新潮文庫 岩月謙司)ってなノベルズをつい買ってしまった。
娘を持つ身として引き寄せられるタイトルにしても、俺も腐ってるな。
ちゃんちゃら、おかしい。
プロットが破綻してるんだよなあ、この本は。
冒頭の延々としたうんちくに、少しでも同意できる人は男性か本当にファザコンの素養がある人だけだろう。著者の岩月謙司さんがどのような素晴らしい恋愛をして、どんな娘を育てているのか知らないが、まず、すべての女性が父親の影響を受けているわけではない。娘は少なからず父親の影響を受けるものだと信じているのは父親だけだ。
それより一番情けないのは、恋愛がうまくいかないのは人選を間違えてきただけだ、という論理を前提にしていること。女性がチャーミングかチャーミングでないかのように、世界中の男にもふた通りしかない。退屈な男とそうでない男だ。この本はまるで退屈な男と波風立てない恋愛しときなさい、って諭してるようなもんだ。はっ、ひょっとして著者が…
こういった考え方は日本の女性を元気にしないし、こんな話を酒場でくどくど語るような男は舌をかんで死ね。
理想の恋愛とは理想の人とつきあうことでなく、理想のつきあいかたをすることだ。例外はない。
不安になったり迷う必要はない。
あなたの恋愛に祝福と輝きを。
おおにしちゃん、入籍おめでとう。
娘は父親の影響「も」少なからず受ける が真実。例外はない!
理想の恋愛を「理想の付き合い方をすること」と仮定すれば、理想でない人とでも強いて理想の付き合いをすれば『理想の恋愛』となりうることになる。では、相手は豚でも馬でもいいのか?
理想の恋愛は「理想の人と、理想な時に、理想な場所で、理想な付き合いで・・・(略)」と、人それぞれである。否定できない!例外はない!
※実際に、岩月さんの言われているような女も実在するし、理解できなくもない。あくまで岩崎さんの表現の自由。名指しで否定する必要もない。否定すればキリがない。
Posted by: 指摘男 at 2004年10月27日 00:59指摘男さん、ご指摘ありがとうございます。
不快感を感じられたのであれば申し訳ございません。
>相手は豚でも馬でもいいのか?
と問われれば
>人それぞれである。否定できない!
に同感でありまする。
名指しで否定するのも失礼でしたが、個人的に伏せ字、匿名の類が苦手でしてすみません。
まあ、私の戯言など辺境にすぎません。というか最後の一節にあるように特定の個人に向けて書いた駄文でした。貴重なご指摘ありがとうございました。
猛省いたします。
この著者の岩月さんがわいせつ罪で検挙されたというニュースを見て、以前こちらで読んだ印象的なブログを思い出して辿り着きました。
あたしもあの本はどうかなと思っていたもんで「ふーんやっぱりコイツは退屈でヘンテコな男だったんだ」と思いましたばい。
恋愛に良い恋愛も悪い恋愛も無いと思うなー。悪い男だって時にはいいもんだし。
そういえば「すべての男は消耗品である」ってけっこう面白かった。
それではお邪魔しました。
こんにちわ。Hola Hola
岩月さんがわいせつ罪で検挙?そうなんですか、知りませんでした。
それより、通りすがりさんのご意見が参考になります。ありがとうございました。恋愛の善し悪しは棺桶に入るまで解りませんよね。私を含めてとかく男というものは「〜とは、〜というもんだ」と断定したがるもんなんでしょう。そいえば、そういう言い方もかつて叱られた覚えがあります。「男というものは〜」でなく、あなたの言葉でいいなさいと。
男女の立ち位置で見方は変わるとすれば「すべての男は消耗品である」は僕の立場からすれば辛かったです。ひとのふり見て我がふり直そうとは思うものの、こんな本買って読んでいる自分が一番痛いのかなあって。
また通りすがってください。では。
Posted by: 榎木津 at 2004年12月08日 00:40