「FINAL FANTASY XIII」という視点での「CASSHERN(キャシャーン)」

「CASSHERN(キャシャーン)」を観た。
ちまたでは酷評されてるらしいが、全然いけてる。楽しい。
酷評する人はいったい他人が作った映画に何を求めているのだろうか。
「ごめんなさい、私、こういう映画、なんだか…」
「謝る必要はない。だって僕が創った映画じゃあないもの」

冒頭から元ラジカルTV庄野晴彦が織りなすガジェットの進化版CGが延々繰り広げられ「もし先の世界大戦で日本が勝っていた場合」という「5分後の世界」の設定で物語は始まる。「オリジナルヒューマン」というキーワード、内戦、戦場での極限。老いと永遠の命。研究所に落ちてきた謎のモノリスのような隕石(物体?)

これだけ新しい材料があるんだから、もはや「キャシャーン」でなくても充分語れたろう。スポンサー集めの事情とかさえ無ければ違うタイトルにしたほうがやりやすかったろうな。

例えば「FINAL FANTASY XIII」とかにしてしまえばいい。
これがPS2だったら絶賛されるだろう。
つか、稲妻型モノリスが落ちたり、映画の中で「ストーリーを強引に進めるために必要な突っ込み不可の超常現象」の時に描かれていた曼荼羅みたいなピカピカ点滅する小さな柄が、95、120、とかRPGの戦闘シーンに見えたくらいだ。

日本映画の予算でSFX等に言及するのは酷だ。
本当によくやってると思う。クリエーターたちの作品に対する愛情が伝わる。まあ、全体的にカラコレ逝きすぎだけど生粋の映画屋以外の監督作品っていつもそうだな。なんか稲村ジェーンを思い出した。
鉄也とルナの二重演出のシーンはよかった。きっとローカルCMとかでパクる演出がいるだろう。

しかし、2時間半は長いな。俺なら90分にまとめられる。
DVD化まで2時間半verはとっておけばいいのに。
カットするのは原作に沿ったサービスカットとネタばれ的な台詞回し、そしてブラキンが死んでから。
ブラキンが死んでからはもうすでにドラマはない。以降はネタバレサービスカットの連続で、あそこの上にスタッフロールと嫁のデモテープみたいなサウンドトラックを被せれば20分近く詰められるんじゃあないか。

だいたいに於いて始まりからヒーローものが成立しないトラップが意図的に仕掛けられている。
「キャシャーン」に正義がない。
すなわち、これブラキン役:唐沢寿明の映画。
大抵、この手の(リメイクもの)にはキャスティング批判が多いのにキャシャーン(東鉄也)役:伊勢谷友介に批判が少ないのもそのせい。この映画、唐沢寿明の存在感が素晴らしい。この人は「ラブ・コンプレックス」以降化けたな。唐沢寿明のおかげでキャシャーンは誰でも成立する。ミッチーが国平弁護士そのまんまのキャラで競演していたなら、キャシャーンは江口洋介でも全然いけた。

原作を知る必要はさして無し。白い巨塔や「FINAL FANTASY 」の世界観が好きなら楽しめる映画「CASSHERN(キャシャーン)」脚本もエヴァンゲリオンより10倍親切。デビッドリンチより100倍親切。

唯一、妙な感じが残ったのは全体を覆う閉塞感。
予算のためほとんどがCGのカキワリ合成だったからでもあるまい。
脇も含め役者のアクが強く、観るものに考える余地を与えないくらいな強引な台詞回しによる誘導。

ああ、これ、舞台演劇で成立できたな。

Posted by enokizu at 2004.5.11 | トラックバック
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