たとえばCDがアルファベット順に並んでいる。「S」のコーナーならまたSA、SB、SC…と続く。
そうして、STI…ときたらいきなりSTINGが置いてあるような店とは取引を考え直すべきだ。
STINA NORDENSTAMはスウェーデン出身の女性アーティスト。
日本でも一時期流行ったスウェーデンポップとはちょっと違う。もっとブルー。つか、ひとことでうまく説明できない。アーティスト志向の高い人ほどアルバムによって表現が変わっていくもんだ。まあ、デビッド・ボウイほどじゃあないにしろ。
あえて、ひとことで説明しようとするなら、声の綺麗なビヨーク。
個人的に声フェチなんで、まず声に惹かれる。エンジェルボイス。
詩もメッセージ性が高そうだけど、この人の声はもはや楽器の一部。俗っぽくいうとJazzyで気怠いサウンド。アコースティックなオケもスカスカなのがいい。すべてのプレイヤーは弾くことよりも弾かないことを覚えるべきだ。時間給も増えるしな。
「Memories of a Color」
アーティストを知るにはまずファーストから、という頑固者も多いだろう。
Jazzテイストが強いし、解りやすいので、ひょっとしたら、ノラジョーンズ系とかと勘違いする人も居るかもしれないが、この人のジャンルはロック。4曲目「His song」は気が触れる前のケイト・ブッシュを思い出させる。8曲目「Soon after Christmas」も泣かせる。
「And She Closed Her Eyes」
個人的に一番好きなアルバム。
「Memories of a Color」が解りやすいと述べたが、こっちはもうすでに彼女の世界観が一度完成している。他の誰でもない。ああ、こういうの聴きたかったんだなあって。でも、どういうのかと訊かれればなんて答えていいか解らない、そんなアルバム。耳元で囁くような、ため息のような、それでいて神経を逆なでせず琴線に触れる。一曲目で昇天、つか全部いい。
「People Are Strange」
ソングライティングはもちろん、ジャケットの装丁もするような才女。一度スタイルを確立したことで、STINAは作風を拡げる。アマゾンとかで調べると実は、これが一番売れてるアルバムらしい。
理由は簡単に推測できる。全曲カバーアルバム。
プリンスやドアーズの曲を、STINAがカバーしてるとなれば聴いてみたいのが世の情け。
しかしどんなカバーアルバムにも潜んでいる危険な罠ではあるが、あまりにも志が高すぎてもはや原曲の影さえない。なにもここまで、ってくらい。このアルバムならどんな感じかと、ひとことで言い表せる日本語がある。
「念仏…」
サウンドもよりパーカッシブで、オルタネイティブ。アサイラム以降のトム・ウェイツを想像すればいい。彼女にとっても実験的なアルバム。これが初めてのSTINA体験の人は不幸だ。最初っからアブノーマルかよ、みたいな。まあ、デビッドボウイをベルリン3部作から入るようなもんで、決して駄作ではない。
以上の3枚しか聴いてないのだが、以降、よりダウナーになっていくであろうことは容易に想像できる。一度放たれた意識の矢はやがて内側に向いてしまうものだ。
さて、冒頭にSTINA NORDENSTAMを置いてない店を非難したが、実際、売ってないと思う。
僕が買い占めたからではない。
もう10年以上前のアルバムでもうほとんどが廃盤扱いなのだ。
なんで今頃、そんな昔のアルバムの聴いてるかというとiPod。
iPodの最大の世界への貢献は、押入のCDに再び陽の光を当てたことだ。
逆に置いてあったらあなたは運がいい。
つか、今時そんなもん置いてる店こそ、つきあいを考え直した方がいい。
(世間話的に)
最近女ボーカルというくくりで考えると何かあ。
yeahyeahyeahsとかかなあ神経を逆なでキチガイ系ですが。http://yeahyeahyeahs.com
ジェリーフィシュとか聞き直してて90年代から抜け出せない有り様です。
ああそういえば、火曜は札幌ギャグメッセンジャーズのお笑いライブ行っていたんだった。最近は『オレたちバンドやろうぜ!』という気分そのまま『オレたちお笑いやろうぜ!』ってカンジらしいです。インディーズ(死語)お笑い。客も若い女の子ばかり。でも面白くてびっくりしました。