SCC受賞パーティ

「水を飲むときは井戸を掘った人のことを思え」
運営委員長、瀬川さんのスピーチで始まった札幌コピーライターズクラブ受賞パーティが昨日、さっぽろテレビ塔2Fパーティルームで行われた。

言うまでもなく、僕は映像屋でコピーライターはおろか平面の世界の人間ではない。
そういうこともあってこういう席では、初めて名刺交換する面々も多いのだが、たいてい言われるのは「web見ました」
どうして、こんな個人的戯れ言の僻地にたどり着くのか不思議なもんだったが、どうやらぐーぐるでもやっふーでも「札幌コピーライターズクラブ」と検索すると最初にここが引っかかるらしい。
まあ、知ってる人なら、ああ、遠藤の戯れ言か、でスルーできるだろうが、知らない人ならちょっとまずい。たとえば福岡とか名古屋とか他の地方から札幌コピーライターズクラブについて検索すると、ここがひっかかるわけだよな?札幌のレベルの低さ(not札幌コピーライターズクラブ)が露呈してしまうではないか。

そういうわけで、札幌コピーライターズクラブを検索してここにたどりついた諸兄のために正しいリンク先へ誘導する。早々に移動した方がいいです。

札幌コピーライターズクラブ(SCC)の公式ウェブサイト

上記リンクを参照すればお解りのように僕はたまたま今回の選考をお手伝いしただけにすぎない。
まあ、その分、一番気兼ねなく何でも言えちゃう立場なのもこれ幸い。
授賞式が終わるまで具体的なコメントは控えてたけど、年鑑も出たし、もういいよな。

まず、先月、年鑑用に総評としてコメントくださいと。
ちょっと待てよ。よく考えたら物書き屋の冊子に文章を送るのなんて、すげープレッシャーじゃあないか。だからといって、わざと斜に構えた文章を書くのも大人げない。
原稿は300字以内ということ。僕にできることは尺合わせのプロとして句読点入れてきっちり300字にしてみせるくらいだな。

----------------キリトリ------------------

EASY COME☆EASY GO

映像屋としてはじめて選考に携わらせてもらったが、表現で相手に届けるという意味合いでは同じだろう。
広告表現に於いてはサドマゾはよくても精神性はタブーなのかもしれない。しかしそれは決してネガティブな事じゃない。そのサドマゾを楽しめるから僕たちはこの世界でやっていける。単純なクリエイティブだけなら縛りの緩い世界のほうが勝っていても、極限のサドマゾから生まれる史上の快楽には太刀打ちできまい。
そういう意味で、今回入選した作品たちからは、そこに携わったクリエイターたちの達成感が至上の快楽として伝わってくる。自己完結な「祈り」ではなく「届く」という快楽。
イケてる、イケてないという表現はそのまま文字面通りだ。

----------------キリトリ------------------

きっちり300字。文章を考えることより数えることに時間を費やしたよ。
ところがどうだ、できあがった冊子をもらったら、みんなばらばらじゃん、長げーじゃん、石本さん。
まあ、いいや。文字数合わせのために削った部分をあわせて個人的総評を戯れよう。無責任な立場ならではだけど。

SCC最高賞
★北海道銀行 新聞15段「道銀の企業向けお役立ちサービス図鑑」
   舛田 直人(マーケティング・コミュニケーション・エルグ)

SCC審査員特別賞
★マルサ POP「バレンタインデー&ホワイトデー」
   阿部 彩子(吉田プロジェクト)

これ、実は最後に審査評が4:2に割れた。割ったのは僕と佐々木さん。
北海道銀行は隙がない完成度だが、たとえばこれからコピーライターを目指す人に、あまりに敷居が高くないかなあという不安があった。ここに至るまでの見えない部分。
審査中は誰の作品か解らなかったわけだが、昔から舛田さんを知ってる僕にすればこれまでどんなにいろんなものを積み重ねて、同時に並行してどんなに手広い仕事をしているかを知ってる。この広告はそこに至るまでの長年の業のようなもののアウトプット。舛田さん自身、受賞スピーチでそれは15年、と語った。テクニカルな部分に眼がいきがちだが、そこに至るまでの業を汲み取って手本にしないと15年かかってもこの域には達しないだろう。

マルサ POP「バレンタインデー&ホワイトデー」は原点回帰。
必要最小限のメッセージ、アナウンス、グラフィック(線)色。どんな分野でも基本は変わらない。ここから始めるべきだ。質量が濃くなる傾向の表現の世界でここで勝負できる人は強い。つか、本当はみんなここで勝負したいはずだ。最高賞と特別賞の文字数が対照的なのも象徴的だ。
残念ながら阿部さんは一時、札幌を離れて別の分野を勉強中らしいが、幸運を祈ります。
ロックこそ、サドマゾはよくても精神性はタブーだ。

ポスター部門 SCC賞
★POVOT ポスター「ハルルルハルルルル」
   舛田 直人(マーケティング・コミュニケーション・エルグ)

こういうのもできて、先の「北海道銀行 新聞15段」も同時にできるのが流石プロ。コピーが「ハルルルハルルルル」なんじゃそれ。つか、すでにコピーライターの仕事というものが言葉でなく、切り口やスタンス、落としどころでの勝負ということを表してる。
個人的には
★札幌アルタ 「ラヴ・アタック 100人のラヴメッセージ」
   大西 紀子(パブリックセンター)
を推した。「愛をブッぱなせ!」なにしろ本人たちが楽しんで表現しているのが伝わる。いい仕事したねえ、いけてる達成感。
ただ、これはすべての流通系広告の課題だが、ターゲットがかぶる他の店との明確な差別化が今後も課題。たとえば4プラやコスモとは違うアルタならでは店(客)って、あるじゃん。アルタならゴスロリ系。ゴスロリでやったらさらにインパクトあったなあ。クライアントから絶対にOKはでないだろうけど。

パンフレット部門 SCC賞
★ホーム企画センター パンフレット「炭は天才」
   佐々木 美和(三浦広告事務所)

佐々木さんの仕事は他にもいくつか見せてもらったが、この人が現役の本当にコピーライターらしいコピーライターのようだなあと思った。コピーは呼びかけでありデザインはたくらみであるという本質を思い出させてくれる。これくらいじゃないかな、票が割れなかったの。

チラシ・POP部門 SCC賞

この部門のSCC賞は前述のSCC審査員特別賞に格上げされた★マルサ POP「バレンタインデー&ホワイトデー」阿部 彩子(吉田プロジェクト)だが、
★狸小路商店街 「お客様は王様です」
   大坂 奈月(パブリックセンター)
も油断できない。札幌ではすでに一目於かれてる狸小路商店街の広告は王道であり異端であり定番。
もともと女王、中野美果が積み重ねてきた仕事だが今回コピーを書いた大坂さんが、受賞パーティの席で一番綺麗だったと映像系野蛮人の中で評判。

oosaka.jpg
SCCの名誉のために念のため。ここに写っているような野蛮な人は他には居ません。

アラカルト部門 SCC賞
★ロイズ アラカルト「MADE IN ROYCE' JAPAN」
   碓井 雅博(電通北海道)・矢島 あずさ(フリー)

このコピーは表紙の真ん中にどんと置かれたカタカナ一文字、ロイズの「ロ」。この部門では他に
★モーニング 「モ」碓井 雅博(電通北海道)
CMプロダクションのロゴ(何回目のCI改訂だよ?)をカタカナ1文字の「モ」。共に一番短いコピーで受賞した碓井さん。夜中に二次会の大坂さんの行方を追って僕に電話してくるのはやめてください。

TV部門 SCC賞
★さっぽろ地下街 TV「夏のダンダン・マギー司郎のお化けマジック」
   八木 英雄(電通北海道)

マギー司郎という飛び道具があったにせよ、この人の表現がいつも他の人と一角をなしてるのはベースにあるものが違うからだ。それはロックだ。つまり、出の悪さ。たまたま僕がプレゼンターだったので「いつも遠藤さんには編集室で一緒なのに煙草以外のものをもらったのは初めてです」と受賞スピーチ。
実は最後まで縺れたもうひとつの作品が
★NTTドコモ北海道 企業広告「リサイクル」篇
   佐野 亮(レバン)
受賞を逃したのは30秒CMを二本積み重ねた60秒で応募したため、前半と後半でメッセージがずれた。後半の30秒だけで応募してくれれば文句なしだったんだろうけど、欲張ったなあ。

ラジオ部門 SCC賞
★北海道ポッカコーポレーション RCM「ノースブラック」
八木 英雄(電通北海道)・高崎 克秋(マーケティング・コミュニケーション・エルグ)

なんだ、八木さんテレビ・ラジオ二冠かよ、しかも、どっちも俺は絡んでないじゃないか、という訳じゃないけど、最後まで縺れたのは
★ゲオイエス yesコミュニケーション.ズ「買われたいケータイ」篇
前田 典子(パブリックセンター)
本当によくできてたが、最後の決め手になったのは、どちらがより商品に落ちているか。つまり「買われたいケータイ」篇がゲオイエス以外の携帯ショップでも成立してしまうのに対して、ポッカがその新商品を前提とした企画だったという優位性でこうなった。
ただし、コピーライティングの能力でなくクライアントの差(メーカーとショップ)というハンデ上、仕方ない。前典のコピーはいつも毒が効いてて貴重な存在だと思うよ。

SCC最高賞の舛田さんと一緒に帰る途中、映像の分野でも是非こういった会を持つべきだと諭された。
ありえない、野蛮だから。まず誰が頭とるかで揉めるな、次にあいつか来るなら俺、行かねえ、とか。直接、口に出さなくてもそんなもんだ。あるとしたら鍋を囲んでの大宴会だな。クリエイティブくそ喰らえとか言いそうだ。

会場でいろいろお名刺をいただいた方々、ゆっくりお話しできなくてすみません。
いろいろ勉強させてもらいました。これで僕は任を終えました。

これでもう僕は、

巣に戻ります。

Posted by enokizu at 2004.4.10 | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?

Check to Subscribe to this Comment:
コメントに返信があった場合メールで受け取る:







Top↑へ