いえす!7月、8月、9月の夏のロードは、1勝12敗2引き分け、勝率は、1割にも満たない6分。サッカーをするには最適な季節も、灼熱の太陽の下、体力と根性に欠けるジョッピンカル札幌は暑さに弱い、という弱点をさらけ出すだけだった。 そこでフロント陣は10月のホームゲームを有利に導くための策を打った。燃えさかる太陽を避けた早朝キックオフ作戦である。 しかし結果は、またもや連敗、日の出前の10月は、なんの地の利も生まず、17日には初雪にまで見舞われ、ジョッピンカルのもう一つの弱点を露呈してしまった、ジョッピンカルは寒さにも弱い。 現在、12連敗中の無勝艦隊ジョッピンカル札幌の深刻な課題は得点力不足であるのは明白だ。 さて得点力不足を解消するにはどうしたらいいだろうか? 所詮は素人の草サッカーチーム、どんなに練習しても、もう背が伸びないのと同じように、サッカーの技術が向上するわけがない。フットボールとは、ゴール前だけでなく局面局面の想像力、次にどう展開するかのアイディアが必要とされる。 そこでフロント陣は世界でも例のない新フォーメーションで生き残りに賭けた。 まずフィールドプレイヤーをボーリングのピン状に配置。 この際、配置は集まった順でも背番号順でもなんでもいい。 この4-3-2-1あるいは4-5-1、4-3-3にもとれるスクェアシステムは、試合中ボールデッドになるたびに何度もぐるぐる120度回転する。 つまり3つの陣形をとることになる。利点は相手のマークを外すことはもとより、互いの位置関係は変わらず、しかもすべてのポジションがスクェアな等間隔にあるためコンパクトなゾーンをキープでき、ポジションによっては運動量を強いられるところも回転によって、フィールド内交代が可能である。 しかし何よりも一番の利点は、みんながすべてのポジションを体験できるという草サッカーならではのお楽しみだ。 早朝サッカー最後の試合は、10月23日、米里サッカー場にて行われた3チーム総当たりのカップ戦である。最初の相手は、永遠のライバルであり、大同ほくさんソフテックサッカー部を母胎としながら、負ける度にチーム名を変え(今季4回め)て上辺だけのてこ入れを続けるFCワタナベイビーズ(今回の名前)だ。 しかし、この世界初のフォーメーションの最初の餌食になるはずだったFCワタナベイビーズは、ボールデッドになるたびにぐるぐる回り、相手を威嚇しようとしたジョッピンカルを「おい、なんかやってるぞ、気にすんな」とあっさり無視。回転の混乱で自分の正しい位置を掴めなくなったフォーメーションの致命的な欠陥をつかれたジョッピンカルはあっさり2点を献上した。後半、CHAN@モーニングのゴールで1点を返すも、試合はそのまま1-2で、13連敗目。今季1勝1敗2引き分けだった対大同ほくさんソフテックサッカー部関連FCとの対戦成績に決着はついた。 次の試合を迎えてのミーティングでフロントは判断を迫られた。一向に効果が出ないこのスクェアシステムを続けるかどうか、だ。 次の相手は、初顔合わせ、西尾エスブロンザ。場末のキャバレーのような名前だが、すでにFCワタナベイビーズに1-0で勝っている運動量を誇る若いチームだ。 しかし前半いきなり、これまで深刻な得点力不足に悩まされたジョッピンカル札幌のゴールラッシュが始まった。 まず、この日ガゼッタ・デロ・スポルト紙で6.5をつけたNIKI@テレビハウスから針に糸を通すようなスルーパス、これに飛び出したBOYAN@モーニングがロナウド以上のスピードで相手ディフェンダー2人をぶっちぎり先制。続いて半年ぶりにやってきた長回しカメラマン、KUBORI@映像記録の強烈なミドルシュートがキーパーに弾かれたところを、ロベルトバッジォを応援する学会旗に応えるかのようなEND@ニューエッジのファンタスティックなボレーシュート。とどめはキーパーバックパスから得たチャンスに、ボンバーNIKI@テレビハウスの40メートルフリーキック。(以上多々脚色あり)前半だけで3-0と夢のような展開で折り返した。 最後にスペシャルマッチとしてFCワタナベイビーズとの再試合が行われたが、目覚めたジョッピンカルをもう誰も止められない。 13試合振りにパズルの解けたジョッピンカル。今季は11月3日つどーむで行われるインターノヴェロ戦をもって一旦冬季オフに入る。 ロイタ一発・共同通信
ジョッピン・パズル - それは様々な体験を積んだ結果、一皮も二皮もむけた意識から生まれる感覚である。いくつもの美意識や価値観が交錯し、渾然一体となって生み出す、単純に見えて複雑で、安っぽくあっても実は贅沢で、真面目そうに見えながら不真面目で、平凡でありながら非凡な、そんな感覚である。いずれにしても、それは少しずつ既成の枠をはみ出したものだ。
これなら暑さを凌げるばかりか、一般庶民にとっては辛い早起きでも、アングラ商売のジョッピンカルにとっては夜の続き。フットボールとはホームアンドアウェイが勝敗に大きく影響する唯一のスポーツなのだ。
たとえば「サッカーの世紀」でお馴染みの後藤健生が著書で書いているように、中国のサッカーが強くならないのは中国人にクリエイティビティが無いからだ。どんなに身体能力で勝っていても、その先に進むには必要とされる大事なものが在るのだ。
クリエイティブな商売を生業とする筈の関連業者からなるジョッピンカルにとっての一番の問題は、想像力の欠如だ。
少し回りすぎななのでは、という多少の修正を行い、続行の判断を下した。おもしろいからだ。
もっとも悪い癖で、気がゆるんで後半2点を返されるも試合は3-2で終了。14試合振りの勝利に米里サッカー場につめかけた満員の観衆は歓喜した。
BOYAN@モーニングの芸術的ループシュートに加え、KUBORI@映像記録が単独で切り込んでゴール。2-0で試合は終了し、1勝2敗2引き分けだった対大同ほくさんソフテックサッカー部関連FCとの対戦成績を再び5分に戻した。この低次元なライバル争いは、また来年も引き継がれる事だろう。
今季対戦成績は6勝22敗5引き分けで勝率1割8分。次に勝てば勝率は夢の2割台に持ち上がるのだ。
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