1999.9.27(034)号
希望を抱き、恐怖に震え、畏怖にうたれる。究極の歓喜があり、耐えがたい絶望がある。サッカーという冒険には、人間のあらゆる感情が凝縮され、すべての営みが投影される。だから、刻まれた記憶は決して色褪せない。

速報!インターポンチネンタルカップ99

9月25日(土)つどーむ屋外特設大スタジアム。草サッカー界のワールドカップともいえるインターポンチネンタルカップが、昨年に引き続いて今年も行われた。

折しも前夜はゴッサムシティに台風直撃、誰しも外でサッカーなんてとんでもない、と思いきや、厳しい地区予選をくぐり抜けて本選へのチケットを手に入れた5カ国のチームが集まった。

まず、今回のホスト国である大地蹴球団ことTERRA FC。そして大同ほくさんソフテックを母体としたFC UpUp。業界からは、uhbトップクリエーション、そして、コパつどーむで初顔合わせした、インター・ノヴェロ。最後にジョッピンカル札幌、とどこが優勝してもおかしくない実力の拮抗した低レベルな大会である。

台風直撃と同時にジョッピンカルを手痛いアクシデントを襲った。中盤の要のGパン@モーニングが風邪で100度の高熱に伏せた上、この日の為の秘密兵器、金城 武@香港の帰国、チーム合流に失敗。例の台湾大地震のあおりを受けて、連絡を取ろうにもお客様の都合で電話が止まっていたのだ。

試合は25分の総当たり。勝ち点3、引き分け1、得失点差、直接対決、総得点、のFIFAの公式ルールに則って大会は始まった。

ジョッピンカルの初戦の相手は、インター・ノヴェロ。
ベンチは強風の中、
風上絶対有利とみるや博才を見込んで急遽、GINZO@ニューエッジをゲームキャプテンに指名。試合前のコイントスに是が非でも勝とうという、イングランド代表が祈祷師を連れてくるような高度な戦術を用意したのだ。

悲願の風上エンドを勝ち取ったジョッピンカルの怒濤の押し込みでゲームは始まった。
なにしろ隣接した丘珠空港も閉鎖するほどの強風の中。向こうから蹴り返した力強いボールはことごとく風に戻され、インター・ノヴェロは 何もしないでいてもじりじりと後退していくばかりであった。

あいかわらず、決定力に欠けるジョッピンカルであったが、終盤、元祖キャプテン、斉藤@モーニングの炎のキラーパスから、遠藤@ニューエッジが独走。
一対一の局面で、イメージ通りにキーパーをもかわし、後はゴールにボールを流し込むだけだったのだが、強風にあおられた通常の50パーセント増しのドリブルは、すでに自らをコントロールできず、そのまま
丘珠空港へと駆け抜けていった。
しかも、このまま引き分けに終わりそうな気配を感じた頃、丘珠から守備に戻ってきた遠藤がペナルティエリア内の
痛恨のハンド。PKにより、0-1で初戦を落とした。

続く2戦目は、今大会ナンバーワンの攻撃力を誇るトップクリエーションとの一戦。
再び風上に立ったジョッピンカルではあったが、ディフェンシブなシステムで対応。さらにベンチは、フィールド内で今日も暇を持て余していたBadDog@レバンに相手ゲームメーカーへのフルフィールドマンマークを決定。この伝令を、左サイドの田井中@アドビデオを使って伝えることまでは聞かないまま、タッチライン際に走った光成@フラッグは、フィールド内に向かって大きな声で指示。結局、伝令は届かず、作戦だけが相手にばれた。

幸い、今日も、森井@アドビデオ&森井@モーニングのW森井波状守備(byヤスヨン)のおかげで0-0のドロー、貴重な勝ち点1をものにした。

続く3戦目は、往年のライバル、元大同ほくさんソフテックFC。
今季から彼らは、負けるたびにチーム名を変えるという
侮れないチームに変貌していた。インターポンチネンタルカップ参加登録時の名前は、FC UpUpだった筈だが、今大会まで短い準備期間に何回負けたのかは未確認だが、FC まつばら、というどう考えても強くなさそうな名前で立ちはだかってきた。

大きな番狂わせは、試合直前に起こった。これまで全勝だったコイントスに負けたのだ。風下の苦難。
最大のチャンスの場面で撃ったBoyan@モーニングのシュートはゴールネットを揺さぶる前に風に押し流され、逆に終了間近、FC まつばらのシュートは低い弾道でジョッピンゴール左隅に突き刺さった。
0-1の敗戦。これで今季の大同ほくさんソフテック関連FCとの対戦成績は、1勝1負2引き分け。是非、今季もう一度対戦を願いたい相手だ、どうか待っていてくれ、できれば
そのままの名前で。

星取勘定の上では消化試合になってしまった最終戦、TERRA FCとの一騎打ちだ。
せめて最後は風上を!とベンチでは、あらかじめじゃんけんによる強運予選リーグを行い、相川@モーニング
新キャプテンが誕生したばかりだが、あえなく風下、背水の陣で勝負に望んだ。

台風直下のフェーン現象で一時的に気温が上がった午前を過ぎ、横殴りの冷たい雨に打たれながらの泥試合。あきらかに志気が落ち、防戦一方のジョッピンカル札幌ではあったが、その時、事故は起こった。

ゲーム中盤、ヘディングの着地に失敗した光成@フラッグが後頭部を強く強打。試合は一時中断し、タンカが運び込まれた。
今日も交代メンバーのいないジョッピンカル、これまでか、と低く垂れ込んだ灰色の空を見上げたとき
奇跡は起こった。
意識不明の重体かと思われた光成が突然むっくり起きだし、別人のごとく、
口数も少なげに通常の50パーセント増しのファイトでフィールドを走り始めたのだ。
炎の感動に胸うち振るわせたジョッピンカルの全員攻撃が始まった。

そしてカウンターであっさり3点取られて負けた。

大会結果は以下の通り、

大会記録


TRA FMT NOV JPC TOP 勝ち点 得点 失点 得失点差
TRA
0-0 0-0 3-0 1-1 6 4 1 +3
FMT 0-0
0-0 1-0 0-1 5 1 1 0
NOV 0-0 0-0
1-0 0-1 5 1 1 0
JPC 0-3 0-1 0-1
0-0 1 0 5 -5
TOP 1-1 1-0 1-0 0-0
8 3 1 +2

優勝、トップクリエーションFC
準優勝、TERRA FC
3位、FC まつばら、インター・ノヴェロ(同率)
最下位、ジョッピンカル札幌

関連写真あり。

これで今季のジョッピンカルの通算成績は、4勝19敗5引き分け。
しかし、ただ悲観することはない。フットボールは始まったばかりなのだ。本大会で結果を残せなかったとはいえ、私たちは、地区予選、あの悪夢の逆転ゴールを許した韓国戦、そしてジョホールバルの歓喜を決して忘れない。

ビバ、ラヴァ、レボリューション。

ロイタ一発・共同通信

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