アンビエントサンクチャリー/
下水処理サッカーグランドの土(仮題)text by - クマザワヒロヲ(Bd) |
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あれ以来、札幌では雨の日がつづいている。 無論、都市では雨は土にしみ込む機会は少ない。 誰の泪雨であろうがそんなことはお構いなく、 雨はアスファルトに叩き付けられ、行き場を失い、雨水枡(マス)へ集まる。 タバコの吸い殻やら落ち葉やらと一緒に雨水は、水洗便所からのパイプや家庭排水のパイプと合流して、汚水となって下水処理場へと向かう。 そこで汚水を待ち受けてるのは、有機物を好む大量のバクテリアだ。 徹底的に殺菌され、無害化された汚水は微かなパルプ臭を残して海へと流されていく。 最後の最後、処理しきれなかったものは汚泥(おでい)として処理される。 つまり、うんこや洗い流したマヨネーズやタバコの吸い殻を そんな手稲山口下水処理場サッカーグランドに集まったメンバーは13人。 都市では想いはいつも消毒され、無害化される。 ロイタ一発・共同通信 |
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