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その頃、私は青山プレジデントホテルのラウンジにいた。クラブの存亡を賭けて、政治的工作のために一人で動いていたわけだ。 まず、ハウス食品が正式にJPCのオフィシャルスポンサーとなった。 次にJPCは、正式にNTTのISDN特約代理店業務も行うことになった。もちろん今、オンエアされている何処にオチがあるのか解らないTVコマーシャルもジョッピンカルメンバーたちが、眼から血を流しながら製作協力したものだ。 そんなわけで、私は7月18日のホームレス・リベンジマッチの詳細は知らない。 打ち合わせが終わり、ホテルのバーに場所を移した頃、「奥、お役は奈々子汚し」でお馴染みの携帯電話が鳴った。頼んでおいた密偵は、終了した試合のスコアだけを私に告げた。 JPCでなく、同日、行われた義兄弟チーム「ヘモグロビン」vs「uhbトップクリエーション」の結果だ。 折しも東京も同じように雨が降り始めた。 「ヘモグロビンが、3-0でuhbトップクリエーションに完勝したうちと闘ったら、30対1でJPCの勝ちだな」と、どこかからデコッパチのほくそ笑むような声が聴こえたような気がした。 オリオン座のそばで炎に包まれた攻撃型宇宙船。タンホイザーゲートの中、闇の中で輝くレイザービーム。そんな瞬間と同じように、ただの記録、そんな記憶はいつか消える。 この雨のように。 涙のように。 その時がきた(ここで鳩が、ばたばたって飛んでいくところがいいんだよ!)
ロイタ一発・共同通信 |
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