時を同じくして6月5日、大同ほくさんソフテックFCとのフレンドリーマッチが行われた。
名前から解るとおり、大同ほくさんの社内クラブチームである。コンサドーレ札幌の練習が大同ほくさんグラウンドで行われていることは、サッカーファンなら周知の事実である。しかし正規クラブであるはずの社内チームは、そこが使えずわざわざ米里サッカー場で自腹で活動しているといった、社外の人には説明しづらい訳ありのチームだ。
もうひとつ、大同ほくさんソフテックFCといえばジョッピンカルにとって忘れられない特別な相手、チーム発足後、最初に白星を献上してくれた気の毒なチームなのである。
今年は、大同ほくさんソフテックFCのフロント陣が一新、まずチーム名を変更します、といった旨の連絡が、ジョッピンカル監督、榎木津礼二郎の元に届いた。チーム変革を、まず形から行うという理念はジョッピンカルにも通じる侮れなさだ。敵に塩を送るつもりで榎木津は「ルンバ菊水」と命名してあげたのだが、もめにもめたあげくに当日は「どさんこ米オーレ菊水」という地元に密着しまくった名前で立ちはだかってきたのだ。
キックオフは夜型には辛い午前7時、両チーム最低限の集合人数でノーガードの撃ち合いが始まった。
ジョッピンカル9番、Boyanのフライングニーキックで先制するも、どさんこ米オーレ菊水のロベルトカルロスばりの距離と中村俊介ばりの弾道で狙った見事なロングループで同点、その後1点を追加するも、Boyanの2点目で同点とトルシエ(ホモ)JAPANのキリンカップより、よっぽどましなシーソーゲームが展開された。
しかし両チーム、日頃の運動不足と準備運動をおろそかにしたために怪我人続出、最終ハーフを残した段階で、どさんこ米オーレ菊水側から「もうやめませんか?」と社会人らしい提案、前代未聞の時間を残したままで、2-2のドローゲームとフロント同士の大人の取引は成立した。このどさんこ米オーレ菊水の英断には拍手を送りたい。おそらく今季、再戦がお互い無理しない程度に行われるはずだ。
フットボールは少年を大人に、青年を紳士にするのだ。