1999.5.30(018)号
集合時間は午後7時、今期初のナイターである。降り続いた雨も上がり低く垂れ込んだ厚い雲が深い色に染まる頃、次々と選手は到着する。しかし彼らを迎えたのは水たまりを敷き詰めた、ぬかるんだ最悪のグラウンドコンデションであった。アウェイ巡業の興業が芸人の定めとはいえ、札幌中学校グラウンドを荒らしてしまう事はもちろん、なにより泥まみれになることを懸念したジョッピンカル監督榎木津礼二郎がトップクリエーション監督、謎の僧侶、茂富氏に「とりあえず記録のためにじゃんけんで決めましょう」と大人の相談を持ちかけているところに、その凶報は届いた。
トップクリエーションが組織的なアップを始める一方、こちらは時間通りに集まったメンバーは8人。準備運動も無しにだらだらと「わあ水たまりがはねちゃったぁ」と寄声をあげつつ幼児さながらのボール遊びを続けるジョッピン選手達、目指すサッカーの質の違いは明白だ。かたわらで携帯電話によるお友達大集合作戦を続けるジョッピンカルフロント、今日も故障中のEND@ニューエッジと香港に失踪中のNANBU@金城を欠いた飛車角落としの布陣を余儀なくされるが、それでも何とか11人を召集し7時40分キックオフにこぎ着けた。
何故かフィールド内に野球のマウンドがあるのはご愛敬のグラウンドコンデションは想像以上に悪く、球足は止まり、足は滑り、文字通りの泥試合の有様である。しかし、出の悪さが染みついたジョッピンカルにとって悪条件の方が分があるのだった。
試合はこのまま3-0で終了。しかし決して点差と内容の差は一致しない、この日はAND@映像記録、DEKKOPACHI@映像記録、SUZU@テレビハウスの最終ラインの安定が際立った。2ストッパー&スウィーパーの古典的3バックでなく、ゾーンで守るトルシェ(ホモ)スタイルだ。後半、動かした2人が結果を出してくれた采配に関しても、この日、黄河田を投入してからリズムが悪くなり、勝てるゲームを引き分けにしてしまったコンサドーレの岡田監督より評価に値するものである。
理解というものはいつも誤解の総体に過ぎない。そうして私は知と非知をより分けることをいさぎよく放棄する。
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