2000.4.5(040)号
希望を抱き、恐怖に震え、畏怖にうたれる。究極の歓喜があり、耐えがたい絶望がある。サッカーという冒険には、人間のあらゆる感情が凝縮され、すべての営みが投影される。だから、刻まれた記憶は決して色褪せない。

悲哀も遺恨もなく- あなたが私にくれたもの。

いえす!家族は大切にしているか?

4月1日、つどーむ屋内競技場全面貸り切りでジョッピンカル札幌2000シーズンのスタートだ。
開幕戦の相手は大地蹴玉団ことTERRA FC。毎度、ご贔屓にしてもらっている割には実力的には段違いに上の相手。新たなスタートとして今の実力を推し量るには格好の相手だ。しかも試合はストーンマッチ、
負けたチームが会場利用料を払うのだ。
集合時間はもちろんジョッピンカル名物、かのスコット・フィッツランドが愛した
魂の時刻、午前五時。大気中のオゾンの濃度がもっとも濃いクリエイティブを生業とする我々にもっとも適した時間である。

一年を占う意味でも重要な意味を持つ、この日の先発メンバーはもちろん来た順、どうだい?草サッカーらしいだろう?フォーメーションは昨年の実績をふまえてジョッピンカルオリジナル、4-3-2-1、三角フォーメーションだ。

この日は、森井波状守備でおなじみのWもりい不在のため、新チーム結成に向けて準備中のジョッピンカル新札幌から外国人助っ人エビラを投入。27歳と若い運動量の助けを借りた。40歳を越えて初めてベテランと呼ばれるジョッピンカルにとって27歳とは、君たちが知っているサッカー選手の17歳くらいの選手に相当するのだ。したがって今期コンサドーレ札幌で大活躍のエメルソンなんぞ、ちんぽに毛も生えていない8ちゃいのガキだ。

「今年はなんとか失点を100点以内におさえたいんだよね」と呟きながら、前半はベンチで戦況を見つめていた昨年度のMVP、ベテランゴールキーパー相川は余裕の表情で戦況を眺める。
得点力不足に悩む日本代表の試合にフラストレーションを感じる輩は是非一度、ジョッピンカル札幌の試合を見に来てもらいたい。これぞ
ハリウッドスペクタクル、なにしろ5分に1点はゴールが決められまくるのだ。

この日、TERRAの核弾頭はNO.8ボンバーヘッド脇坂尚宏、そしてNO.10社団なぜそこまで走りまくれるんだ?法人。特に驚異を与えた脇坂のプロフィールを見ると、サッカー経験者と思いきや現役草野球選手。セットプレーでひしめき合うゴール前での脇坂の強さは豚小屋に迷い込んだ猛牛のようだ、とガゼッタ紙は伝えた。

いくらジョッピンカルが素人チームとはいえ、こいつらをマークしなければ危険だ、と察知することはできる、ただし5点くらい取られた後だが。しかし、光成の反則ギリギリをはるかに越えたパンツの中に手を突っ込むマンマークもスピードでぶっちぎられては着いては行けない。
こうなったら、と後半終了間際、めまぐるしく選手を投入して、
どさくさに紛れて12人にしてやる作戦も、あっさり見破られ、大事な開幕初戦を0-10で落とした。

しかし、悲観することはない。

考えてもみたまえ。2年前ホームレスに0-7で負けたとき、ゴイスFCに0-8で負けたとき、あの時の例えようのない焦燥感に比べて、もう我々は0-10で負けようとも、へっちゃら。何とも感じなくなっている。見事な精神的成長といえよう。我々は何百点の失点を引き替えに強靱なメンタルの強さを手に入れることができたのだ。

試合後、榎木津礼二郎代表は約束通り、会場利用料として一番汚い紙幣を選んでTERRA FCへ叩きつけた。しかし止まっている車に一方的にぶつかっても10対0にならない保険業界のことを考えると、一方的に負けた方が払うというのもフェアじゃない。得点により歩合を出してくれないか?と提案したが、0対10のスコアでは言い分は通らなかった。

「今年はなんとか失点を100点以内におさえたいんだよね」と相川は言った。
したがって今年は、あと9試合しかブッキングできない。

ロイタ一発・共同通信

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